さくらんぼの種から芽はでるの? ~1000分の1の壁~


さくらんぼには固い種があるのは、皆さんご存知ですよね。
小さい頃、食べ終わった後の種をまいてみたことがある、なんて方もいらっしゃるかと思います。

今日は、さくらんぼの種をまくとはたして芽は出るのかどうか?そんな疑問にお答えします。

「さくらんぼの種」と「木の増やし方」について

サクランボを食べた後に残った種を蒔いても、なかなか芽は出ません。

ある果樹園では、1000個の種を蒔いてみて、発芽したのはたったの1本でした。
さくらんぼの種を植えても、発芽しないわけではないけれど、発芽しにくいんです。

しかし、さくらんぼの種を発芽させやすくする方法はあります。
種と思われていますが、あの固い物は殻なので、固い殻を割って植えると発芽しやすくなります。

でも、美味しいさくらんぼの種を蒔いて、発芽しても、その実が美味しいとは限りません。
なぜかというと、さくらんぼは自分と同じ品種の花粉ではうまく受粉しないという特徴があるんです。

つまり、私たちが何気なく食べているさくらんぼ、木と実の遺伝子が異なるということです。
不思議というか謎の領域ですよね。仕組みはまだ解明されておらず、まさに命あるものの神秘。

話を戻しまして、では果樹農家さんは、どのようにオウトウ(さくらんぼ)の木を増やしているのでしょうか?

答えは「接ぎ木(つぎき)で増やす」です。この方法が基本的にはとられています。

接ぎ木(つぎき)について

さくらんぼの接ぎ木の方法には、「穂接ぎ(ほつぎ)」と「芽接ぎ(めつぎ)」があります。

穂接ぎ(ほつぎ)

穂接ぎ(ほつぎ)とは、台木(だいぎ・根を張る部分)に穂木(佐藤錦などのオウトウの枝)をくっつけて、一体化させる方法です。

接合部より下は台木(だいぎ)の性質、接合部より上は穂木の性質を持った苗木ができます。

3月に穂接ぎ(ほつぎ)をします。

芽接ぎ(めつぎ)

芽接ぎ(めつぎ)は、9月に行われます。

元になる木の芽をそいで、切込みを入れた台木(だいぎ)に形成層同士を密着させる方法です。

最適な台木(だいぎ)について

台木(だいぎ)は、オウトウと親和性のある桜の木を使います。台木(だいぎ)によって木の成長度合や実のなるまでの期間も変化します。

穂木(さくらんぼの木の枝)について

美味しい実のなる木の枝を選び、接ぎ木することが基本です。


さくらんぼの種を蒔いても、殆ど芽が出ず、もし出ても美味しいとは限りません。

それでも太古の昔から人々と共に生き続け、愛され続けてきたさくらんぼ。知識を深めて、じっくり味わっていきたいですね。


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